蝶兎堂では主に古典占星術を使って鑑定を行っています。
古典占星術と現代占星術は似て非なるもの、と解釈しています。
ですが、その違いは一般的にあまり知られていないように思います。
そこで古典占星術について、現代占星術との違いを明確にしていきたいと思います。
アスペクト
惑星同志がどのように影響を及ぼしあうか、それを示すのがアスペクトです。
aspectは『spect=見る』を語源とするため、0°のコンジャンクションは本来アスペクトには含まれませんが、ここでは便宜上アスペクトの1つとして扱います。
古典占星術のアスペクトは、極性(男性性・女性性)、様相(始動・固定・変化)、元素(火・地・風・水)の関係性に基づいており、惑星がお互いを見ることの出来る位置(サイン)にいるかどうかが重要になります。
惑星の入っているサイン同士の角度のことをいいます。
プトレマイオスの『テトラビブロス』に記載されているアスペクトであり、プトレマイオスのアスペクトと呼ばれるアスペクトです(=メジャー・アスペクト)。
また、アスペクトの意味も非常にざっくりしていて、極性・様相・元素の関係性に基づいて、ソフトアスペクト(60°、120°)は良い関係で、ハードアスペクト(90°、180°)は悪い関係という、定性的な意味程度の理解で問題ありません。
というのは、古典占星術にとってアスペクトはアクシデンタル・ディグニティという環境要因の一つに過ぎず、もっと意識すべき点がほかにあるためです。
一方、現代占星術のアスペクトといえば、惑星と惑星の角度のことを言います。
17世紀にケプラーにより惑星の位置が正確に測定できるようになると、ハーモニックス(完全数による円の分割)という考えが用いられ、いっきにアスペクトの数は増えました(メジャー・アスペクト、マイナー・アスペクト)。
古典占星術と異なり、現代占星術はアスペクトごとに意味があります。
詳しく知りたい方は、『占星術完全ガイド 古典的技法から現代的解釈』ケヴィン・バーグ著/伊泉龍一訳をご覧ください。
とても丁寧に説明されています。
マイナー・アスペクトの中で、よく用いられているセミセクスタイル(30°)とクィンカンクス(150°)は、サイン同士間では極性・様相・元素の全てが異なるため、古典占星術においてはaverse(=嫌悪)と言って、視野に入らずアスペクトは成立しないとされるようです。
アスペクト | 古典占星術 | 現代占星術 |
第1ハーモニック・アスペクト (コンジャンクション) | 0° | 0° |
第2ハーモニック・アスペクト (オポジション) | 180° | 180° |
第3ハーモニック・アスペクト (トライン) | 120° | 120° |
第4ハーモニック・アスペクト (スクエア) | 90° | 90° |
第5ハーモニック・アスペクト (クィンタイル・バイクィンタイル) | ー | 72° 144° |
第6ハーモニック・アスペクト (セクスタイル) | 60° | 60° |
第7ハーモニック・アスペクト (セプタイル・バイセプタイル・ トリセプタイル) | ー | 51°25′43″ 102°51′26″ 154°17°09″ |
第8ハーモニック・アスペクト (セミスクエア・セスキクァドレイト) | ー | 45° 135° |
第9ハーモニック・アスペクト (ノヴァイル・バイノヴァイル・ クァドノヴァイル) | ー | 40° 80° 160° |
第10ハーモニック・アスペクト (デザイル・トレデザイル) | ー | 36° 108° |
第12ハーモニック・アスペクト (セミセクスタイル・クィンカンクス) | ー averse(=視野に入らない) | 30° 150° |
オーブ
アスペクトにはオーブという、効力があるとみなされる距離の概念があります。
現代占星術ではアスペクトごとにオーブが定められていますが、古典占星術では惑星ごとにオーブが定められています。
アスペクトの影響は、角度差が小さいほど大きいとされます。
アセンダントやミッドヘブンetcアングル、ドラゴンヘッド・ドラゴンテイル、ロッツといった計算で導き出されたポイントは、それ自体は光を放たないためオーブを持たず、またアスペクトの起点になり得ません。
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